日産スカイライン GT-R特集

NISSAN SKYLINE GT-R
●日産スカイラインGT-R 主要諸元
〔寸法mm 重量kg〕
全長×全幅×全高:4655×1895×1370 ホイールベース:2780 トレッド:前1590/後1600 車両重量:1740
〔エンジン・性能〕
種類:V型6気筒 DOHC 総排気量:3799cc
最高出力:353kW(480ps) 最大トルク:60kg-m/3200-5200rpm 最小回転半径:5.7m
〔メーカー希望小売価格〕
GT-R/777万0000円 GT-R Black edition/792万7500円 GT-R Premium edition/834万7500円
すべてのモータースポーツファン待望の「GT-R」が、昨年末ついにデビューとなった。クルマに興味のない人からクルマ好きの人まで認知されている、「スポーツカーの代名詞」と言っても過言ではないほどの知名度。新しく誕生したGT-Rから本当の魅力を紹介。

ついに発売された新型とともに最強R伝説の歴史をチェック!!

 GT-Rとは、単にスカイラインのスポーツグレードというわけではない。サーキットでの使用を主軸に開発され、乗用車ベースでありながら「勝つこと」を使命とされてきた。他のスポーツカーに影響を与えるだけでなく、熱狂的なファンを持ち、エンジニアの特別な思いが込められたクルマなのだ。 1957年に初代スカイラインが誕生して50年。現在までに絶え間なく進化を続け、 2代も受け継がれてきたスカイラインだが、それでもGT-Rの名を冠することが許されなかったモデルもあり、それほど特別な冠なのである。
  初代GT-Rは「ハコスカ」の通称でおなじみの3代目スカイラインが襲名。この初代が、サーキットで50連勝という金字塔を打ち立てたところからGT-Rの伝説は始まった。平成元年に再び復活し、漫画や映画などにも登場したR32、R33、R34の2世代目GT-R。この世代のGT-Rはまだまだ記憶に新しいだろう。この世代もレースで29連勝を成し遂げるなど、伝説が続いていることを証明。そして昨年末にデビューした3世代目となる「NISSAN GT-R」。「スカイライン」という車名こそ消滅してしまい、全く新しい車種として誕生しているが、初代からの受け継いだDNAは紛れもなく息づいている。「技術の日産」と呼ばれる自動車メーカーの、現在出せる最高のパフォーマンスを濃縮した非の打ち所のないR35型GT-R。このクルマについて開発者を始めセールスマン、メカニックに一切の妥協がない。
【GT-R特集】スパルタンなイメージのないリラックスしたコックピット。300q/hでも会話が可能な静粛性。
【GT-R特集】480psを生み出す新開発エンジン。国産では最もハイパワー。
【GT-R特集】マルチファンクションパネルにはタコメーターや油温計、ブースト計、重力計などが表示される。タイム計測も可能でCFにデータを残す。
▲スパルタンなイメージのないリラックスしたコックピット。300q/hでも会話が可能な静粛性。 ▲480psを生み出す新開発エンジン。国産では最もハイパワー。 ▲マルチファンクションパネルにはタコメーターや油温計、ブースト計、重力計などが表示される。タイム計測も可能でCFにデータを残す。
【GT-R特集】標準20インチの大径ホイール。ランフラットタイヤを初採用。
【GT-R特集】走行目的に応じてスイッチ操作でサスペンションやトラクションを変更できる。
【GT-R特集】ドアノブもこだわった作り。
▲標準20インチの大径ホイール。ランフラットタイヤを初採用。 ▲走行目的に応じてスイッチ操作でサスペンションやトラクションを変更できる。 ▲ドアノブもこだわった作り。

NISSAN SKYLINE GT-R C10


ここから伝説の歴史がはじまった!
ハコスカGT-R 1969>>1972

日産との合併後初めて出たモデルでそのエッジの効いたスクエアボディから「ハコスカ」との愛称で親しまれている。旧車としても人気が高く、クラシックカーミーティングなどで多く見かけることから根強い人気を確認できる。 初代GT-Rとなったこのモデルは、国内レースでマツダのロータリー勢に苦しめられながらも50勝という偉業を達成したほか、数々の伝説を残す。レースでの戦跡を上げるとキリがないが、ここから「GT-R」の伝説がスタートした。
NISSAN SKYLINE GT-R C110


生産台数が極端に少ない幻のGT-R
ケンメリGT-R 1973

「ハコスカ」からのモデルチェンジを受けて、「ケンメリ」でも「GT-R」グレードが登場。しかし、排気ガス規制の影響もあり僅か197台しか生産されず、うち195台が市販されただけで生産が終了。レースに出場することはないモデルだったが、丸型4灯テールライトは以後スカイラインのアイデンティティの一つとして代々受け継がれていく。生産台数が極端に少ないことから、「幻のGT-R」としてファンの間では有名で、旧車市場においても非常に高額で売買されている。。
NISSAN SKYLINE GT-R R32


第2世代目の超感覚GT-R
8代目スカイラインGT-R 1989>>1993

不運のGT-R「ケンメリ」から16年、第2世代のGT-Rとして復活を遂げたR32型。当時のツーリングカー選手権「グループA」制覇を目的とした、「勝つためのGT-R」が開発された。2568t直列6気筒4バルブDOHCエンジンに2基のセラミックス製ツインターボを搭載し、FRをベースとしながら、電子制御によって4輪に自在に駆動力を配分できる4輪駆動システムを採用。レースシーンでも、ツーリングカー選手権全戦ポールポジション獲得・優勝、シリーズ終了までに29連勝の伝説を作り、GT-R最強伝説が再始動した。
NISSAN SKYLINE GT-R R33


パワーユニット・ボディサイズがアップ
9代目スカイラインGT-R 1993>>1998

R32型からパワーユニットを2.5Lに変更したため、ボディサイズをアップ。先代同様の画期的なメカニズムを継承しながらグレードアップしている。しかし、発売当時はサイズアップなどが好評を得ずR32型の注文が殺到したとか…。
しかし、現在ではサイズアップしたボディが生み出す直進安定性と、当時の不人気ぷりから来る値ごろ感が、中古車市場では人気となっている。ニュルでのラップタイムを、R32型より21秒縮めたことから「マイナス21秒ロマン」がキャッチコピーとなった。
NISSAN SKYLINE GT-R R34

コンセプトは原点回帰
10代目スカイラインGT-R 1998>>2002

スカイラインとして記念すべき10代目、GT-Rとして5代目を迎えたR34型。R33型のサイズアップが不評だったためか再びボディサイズを縮小、スクエアなボディフォルムを再現した。
トルクアップしたパワーユニットや6速マニュアルミッション、18インチホイールの採用など、R34型は第2世代最後のRだけに歴代GT-Rの中でも究極のGT-Rと言える進化を遂げた。究極のドライビングプレジャーを名乗るに相応しい絶対的なパフォーマンスを得ていたが、世代中最も短命で幕を閉じた。

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取材協力/愛媛日産自動車株式会社 営業本部 常務取締役・佐伯和紀(撮影場所/アミックス森松)